”かぎろひ”…あまり馴染みのない言葉です。
今から1300年前の飛鳥時代、万葉集で柿本人麻呂が詠んだ48番歌
「東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」
に登場し、現代語訳は、
「東方の野に日の出前の光が射し始めるのが見えて、後ろを振り返って見てみると月が傾いていた」となります。
”かぎろひ”は一般的には”朝焼け”と同義語と考えられます。日の出の1時間ほど前に東の空が真っ赤になる現象。冬の冷え込んだよく晴れた日に出現率が高いとの事です。
この和歌は小学校の国語の授業でも紹介されており、
「文武天皇がまだ軽皇子といわれていたころ、父の草壁皇子のご逝去ののち、大和の阿騎野に遊猟され、生前ここで狩猟された父を偲びながらこの野に宿られたときの皇子の心を汲んでお供に従った柿本人麻呂が詠んだもの」とあります。
⤵2021,1,13撮影

季節は順調に冬から春へ。
開けない夜は無いと言いますが、当たり前に溺れることのないよう、今日、生かされていることに改めて感謝したい…。
二階のベランダから身に染みるような冷えた空気と共に、千三百年の時を肌で感じました。
⤵2021,2,1撮影

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